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チアリーディングの演技構成を作るにあたり、どのようにすれば高い点数を獲得できるかについて解説します。実は多くのチームが初歩的なことに気づいていないんです。
さて、皆さんのチームでは、チアリーディングの大会用の演技構成はどのように作っていますか?自分たちが入れたい技を入れるような「自己満足」の演技になっていませんか?ルールブックをしっかりと研究していますか?最近日本のキッズチームの大会演技の構成作りを担当させていただいたのですが、これまで大会で思うような点数及び評価が得られなかったチームだったのですが、先日開催された大会で見事部門優勝したという結果報告をいただきました。
今回はその事も踏まえ、チアリーディングの大会演技構成を作るにあたり何を気をつけるべきかについてお伝えします。
チアの大会で高得点を取れない理由
「ノーミスで良い演技ができたと思ったのに、思ったより点数が出なかった。」という声を多く聞きます。その理由として最も大きいと考えているのが、
スコアシートに沿った大会演技構成を作れていない
ということです。
どのチアリーディング協会でも、審査員用に、点数を決定する目安というのがあります。審査員も「なんとなくこんな感じの点数かな」と適当にスコアをつけているわけではありません。なので、その点数の付け方や配点を自分で勉強することが大切なのです。
皆さんは演技構成をなんとなくで作っていませんか?しっかりとチアリーディングのルールを理解した上で作っていますか?
チアの大会演技構成を作る時にやってはいけないこと
大会演技構成を作る時に多くのチームがやりがちなことがあります。それが以下です。
・チアリーディングのルールブックを全く確認しない(→それぞれの配点を知らない)
・自分たちがやりたい技(やってみたい技)をとにかく入れる
この二つは必ず避けなければいけません。実は私の所属していた大学のチームもそうでした。さて、なぜこの二つはやってはいけないのでしょうか?
ルールブックを全く確認しないのはNG
ほとんどのチア協会からそれぞれルールブックなり、配点表などが公開されているはずです。※詳細は各協会のウェブサイトをご確認ください。
その公開されているルールブックを勉強しないまま大会の演技構成を作ってしまうチームが非常に多いのです。海外では、「スコアシートに従って演技を作る」が鉄則です。どれだけ難易度が高く、おもしろい構成を作ってもそれがスコアシートに沿ってない内容、つまりスコアシートを無視した演技構成だと残念ながら評価されにくいためです。
ルールブックをみると、スタンツ、ピラミッド、タンブリング、ジャンプ、ダンスなどのそれぞれの要素の配点が決まっています。まずはこれを知ることが大切です。
また、その中でも「どのレベルのスタンツを何個くらい入れると目安で●●点取れる」という基準があります。その基準をしっかりと勉強することで、「審査員が求めていること」がわかるようになります。
逆に言えば、その基準がわからないまま、なんとなく演技構成を作っていては、運がよければ高得点を獲得できるかもしれませんが、そうでなければ残念ながら得点は稼げません。
自分たちがやりたい技を適当に入れるのはNG
ルールブックを理解してないが故に、「なんとなくこんなスタンツ技やってみたい」「このピラミッド技やったら面白そう」という根拠の無い理由でスタンツの技などを入れるチームが多いです。これがまさに「大会で良い演技ができたと思ったのに、点数が思わしくなかった」という結果に陥ってしまう原因です。
自分たちがやりたい技、やってみたい技を入れるのは良いですが、それが本当に「審査員から求められている基準を満たしているのか」について考えてみましょう。
高得点を取れる演技を作るにはどうすべき?
ルールブックを読み込もう
ルールブックは、それぞれチアリーディングの協会が公開しています。まずは、そのルールブックを読み込み勉強しましょう。
日本チアリーディング協会
日本チアリーディング協会では、協会の公式ホームページに簡単なルール規則が掲載されています。ルールブック自体は協会から購入する必要がありますが、チームで一つ購入してみるのもいいでしょう。このルールブックなくして、大会演技構成は作れません。
USAジャパン
ありがたいことにUSAジャパンの公式ホームページには無料で全ての詳しいルールが掲載されています。また「この技をやれば、この点数がとれる」といったようにかなり明確化されているので、ルールさえ理解していれば点数が最もとりやすい協会です。ただし内容量は多いので時間をかけてゆっくりと勉強してください。
チアジャパン
チアジャパンでも公式ホームページに安全規則などのルールが掲載されています。また、大会出場エントリーをすると、そのチームはより詳細なルールをみることができるようになります。
まずはこれらのオンライン上で公開されているルールブックを熟読し、チアリーディングについてのルールを理解するようにしましょう。
有識者に演技の振り付けを依頼する
ルールブックを読み込んで、どんな演技、どんなスタンツ技をいれるべきなのかを理解したら次は、審査員がどのように演技を評価するのかを学ぶことが重要です。とはいえ、審査員の勉強をするとなると非常に時間もかかりますし大変です。そこで、海外の強豪チームはこぞって「実際にチアリーディングの審査員をしている人に大会演技の構成作成を依頼する」のです。
どのように審査をするのか、演技の何に注目して審査しているのかを一番知っているのは、審査員そのものです。
あるいは審査員でなくても、経験がありルールを熟知している人、どうすれば高得点を取れるか理解している人に大会演技構成の依頼をしてみるのもいいかもしれません。
大阪のキッズチームの例
昨年1月頃に大阪のとあるキッズチームのコーチの方から、「USAジャパンの大会に出場をしたが、課題が演技構成にあることを痛感した。子供達のパフォーマンスを最大限引き出すために、演技作成を依頼したい」という相談を受けました。
そこで、オンラインでの大会演技構成の作成が開始。チームの人数やメンバーの子たちができる技、身長やポジションなどを事前に共有いただき、演技内容の作成を行ないました。
昨シーズンまで、大会で1位を獲得したことがなかったチームでしたが、2020年の冬の大会では見事Youth Level 1部門で1位に輝いたとの報告がありました。
また、スコアも昨シーズンからぐんっと伸び、タンブリング、スタンツ、オーバーオール全てのスコアシートで得点を伸ばしました。
このように、チアリーディングのスコアシートに沿った演技構成を作れるかつくれないかが、得点を左右する大きな要因となっているのです。逆にいえば、構成さえスコアシートに沿っていれば、技術が少し足りなくてもカバーできてしまいます。
世界大会レベルでも同じです。世界大会で優勝するために、とんでもない技術が必要と思う人が多いですが、重要なのはスコアシートに沿って戦略的な大会構成を作れているかどうかがより重要t言われているのです。
いかがでしたか?もし皆さんのチームが、「良い演技ができたのに、思ったより点数を伸ばせなかった」というのであれば、一度、ルールブックで勉強してみることをおすすめします。また、ルールを熟知している有識者に大会演技作成を依頼するというのも良いかもしれませんね。
大会演技構成作成依頼についてはこちらから