この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。
トップの体重管理はチアリーディングを行う上でとても大事なことです。しかし、過激なダイエットをして体調を崩しては意味がありません。今回は体重に対しての考え方とトップの体重管理のコツについてお話しします。
体重管理はトップのお悩み第一位
最近、何か海外のチアリーディングについて知りたいことある?とかチアリーディングに関して悩みがある?と質問すると必ず聞かれるのが「トップの体重管理」についてです。その気持ちはわかります。
私もトップを13年間やってきて、一番の悩みは体重でした。高校生の頃は軽ければ上手になれると信じて、夜8時以降は何も食べないダイエットをしたり、摂取カロリーを極端に抑えてみたり。大学でも軽ければ軽いほど…と思い、プロテインシェイクの置き換えダイエットをしてみたり、ランチをおにぎり一個で済ませたり。
お世辞にも「健康的」とはいえないダイエットを繰り返していました。
だから、トップの皆さんが体重に関して悩む理由もよくわかります。ただ、過激なダイエットをしてまで、あるいは強要させられてまで、チアリーディングをすべきではないというのが私の持論です。そう思うに至った理由についてお話しします。
体重が軽ければトップが上手くなるは嘘
「体重が軽い方がいい」というのは日本(あるいはアジア)によくある考え方です。もちろん軽いに越したことはないのかもしれません。
でも、よく考えてみてください。軽ければ軽い方がいいなら、20歳のあなたがトップをするより、3歳の子供がトップをやった方が上手いのではないですか?
でも、違いますよね。3歳の子供より40キロくらいあなたの方が体重は重いかもしれないけど、自分の体をしっかりコントロールできるあなたの方がきっとトップとしてのスキルはありますよね?
体重はトップの上手い、下手にはさほど関係していないというのが私の考えです。アメリカの強豪チームの選手の中にはもちろん小柄な選手もいますが、55キロくらいのトップ選手もいます。そんな選手は自分の体の使い方がわかっているのでベースにとっても持ち上げやすいのです。
軽いけど、どこにどう動くかわからない物体を支えるより、少し重いけど絶対に動かない物体を支える方が、ベースにとっては楽なのです。
オーストラリアにきてからはよく「45キロで軸のないトップなら、60キロで軸のあるトップの方がやりやすい」という声を聞きます。
無理なダイエットをするくらいなら、体の軸を整えて、しっかり上でとまれるトップを目指した方がいいです。
病気になってもトップになりたい?他のポジションも考えて
体重でお悩みの皆さん。皆さんは無理なダイエットをして病気になってもトップになりたいですか?
チアリーディングというスポーツは他の競技にはない魅力があります。それが、どんな体格の人でも活躍できるポジションがあるということ。トップだけがチアリーディングではありません。ミドル、ベース、タンブラーなどポジションはたくさんあります。
体重が重いことが悩みで、その悩みのせいで夜も眠れない、ストレスに感じる、ダイエットはもうやめたい……それならば、ポジションを変えてみるというのも一つの選択肢です。
病気になってでもトップをやりたい。トップで目立ちたい。トップこそチアリーディングの華だ!!というのであれば、それはそれでいいですが、そもそもそれは「チアリーディング」というスポーツを誤解しているかもしれません。
トップで活躍することだけがチアリーディングではないからです。
人間の成長は止められない
人間は成長します。15歳の体型を一生維持することはほとんど無理です。女性には生理もあります。将来子供を授かるためにお尻や胸も成長と共にふくよかになったりします。
私がチアリーディングを始めたのは15歳の時。当時は身長150センチで40キロに満たない、ガリガリ体型でした。それから10年以上たった今、体は少女のようなガリガリ体型から女性体型になりましたし、体重は約10キロ増えています。
10年前はピラミッドでは一番上のトップポジションで活躍していましたが、今では中間層であるミドルで活躍しています。
人間は成長します。それを無理に妨げる必要はないのです。先ほども述べたように、チアリーディング には幸いにも体格によって適正なポジションがあります。体格が変わったら、無理にダイエットに走らず、ベースに変えてみたりもできます。
チアリーディングのための人生ではない
これは海外にきてから始めてわかった感覚なのですが、チアリーディング はあくまでも人生を豊かにするものであって、あなたの人生はチアリーディングのためにあるものではないと思います。
チアリーディングのためにライフスタイルを変えるというよりは、ライフスタイルに合わせてチアリーディング をするという感覚を多くの選手が持っています。
だから、生きる上で大事な食事をお粗末にしてまで、チアリーディングをするべきではないと思うのです。
だから私は、今では、友人たちとマクドナルドでフライドポテトも食べるし、アイスクリームも食べます。チームメイトがピザを食べる時はピザも食べます。日本では控えていた炭水化物もしっかりと摂取しています。もちろん毎日そんなジャンクなものばかりを食べているわけではないですが。
「重い」とベースに言われたら言い返して
たまにいますよね。トップに「重い」と平気で言ってくるベース。そんなベースがいたらこう言い返してください。「あなた、筋肉少ないわよ。」
ずっと私は疑問だったのですが、体重が重いと責められるのは、いつもトップ。ベースが筋肉をつければ解決できる問題かもしれないのに。
で、オーストラリアでチアしていると、トップに向かって「体重が重い」というのはタブーだったりするんですよね。体重が重いとトップにいうのは、自分に筋肉がないというのを認めている証拠。
「トップが無理なダイエットをして体重を減らすより、ベースが筋トレをして筋肉を増やして方が簡単」といってくれたベースもいました。
なので、皆さんも、「あなた、筋肉もっとつけたら?」と言い返してください。そして、ベースの皆さん、トップ重いと言った時点でそれはあなたに筋肉がない証拠。恥ずかしいと思ってください。
体重管理のコツ
と、ここまでトップの私が13年間で感じてきた体重に関しての気持ちを述べたので、いまさら体重管理のコツといっても皆さんが期待できるようなことは書けません。(無理なダイエットについては触れる気もないので。)
ただ、3つだけ言わせてください。
炭水化物、タンパク質、脂質のバランスを考えた食事をする
ダイエットのために野菜だけを食べる、カロリーのないものを食べる、炭水化物を抜く、というのは、長期的に考えて効果がないし続かないです。
また、先ほどジャンクなものも食べると書きましたが、毎日マクドナルドにいくなんてことはまずしないです。自分が「人間として」一日に取るべきカロリーや栄養を計算してその中でやりくりしています。
朝に必ず排便するような食事を心がける
私は毎朝必ず排便するような食事をすることを心がけています。前日に食べなさすぎたり、野菜のない食事をしたり、炭水化物を極端に抜くような食事をすると、翌朝便秘になります。便秘でお腹が張ったままチアリーディングの練習をするのが一番辛いし、お腹に残った便から体がカロリーを吸収してしまうこともあります。
「うんちは毒素」どの毒を絶対に朝までには排出するという意識で一日の食事を心がけてみてください。
なんとなく食べるお菓子は控える
ジャンクなものも食べるし、炭水化物を極端に抜いたりはしないし、世間で話題になっている一時的にしか効果のないダイエット(朝バナナダイエットとかね)はしませんが、「お腹が空いていないのについついたべてしまう何となく食べるお菓子」は控えています。チョコレートやクッキーは知らないうちに高カロリー摂取につながるし、食べてもたべてもお腹いっぱいになるものではないし、栄養素的にも満足のいかないものだからです。
なんとなく食べたいという軽い食欲の時は我慢しています。
この3つだけを考えるだけでも、アスリートとして十分な食生活だと思っています。そして、この食生活で私は食に対するストレスなしに体重を維持しています。
トップの体重に関する悩みは尽きないと思います。もしなにか相談があればいつでも問い合わせフォームからメッセージくださいね!
Youtubeでもトップの体重管理について紹介しています。