チアリーディングで大事なこと〜技を無理にやるのは美徳ではない〜

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チアリーディングで大事なこと。それは、なんといっても大会本番で技を決めること。大会本番で失敗しないようにするために、チアリーディングで大事な考え方についてお伝えします。

さて、最近は私の所属するオーストラリアのチームで、全通しでもスタンツやタンブリングのミスが無くなってきて、チームもやっと安定モードに入ってきた感じがします。

日本では、タンブリングで失敗して手をついても、あまり気にしないことが多かったり、練習中の全通しでミスとしてカウントしなかったりするかと思います。

少なくとも私が日本でチアをやっていた時はそうでした。日本のルールでもタンブリングのタッチダウン(床に手をつくこと)はスタンツ同様減点の対象にもかかわらずです。

もちろん、アメリカのルールでも、タンブリングのミスもスタンツのミスは減点対象です。タンブリングで着地に失敗して少しでも手か膝をつくと1点の減点。世界大会は1点の差が命取りになるので、タンブリングも気を緩められません。

スタンツのミスはみんなのミスだけど、タンブリングは完全に個人のミス。「何が何でも絶対に手をつかない」が鉄則です。その意識はアメリカのルール下で競技をするチームは比較的高いと思います。

昨年、世界大会を最前列で観戦していたのですが、選手の何人かが、タンブリングでタッチダウンしてしまった場面を間近でみました。その選手たちのタッチダウンしてしまった瞬間の表情といったら……中には演技中に泣き始めてしまった選手もいました。

それくらいタンブリングのタッチダウンはスタンツのミスと同じくらい深刻に捉えているのです。

私達の練習でも一緒です。タンブリングのミスもカウントされます。「タンブリングでタッチダウンするくらいなら、やるな!」とすらコーチから言われます。もちろんチームのために。タッチダウンするのに無理してタンブリングするのは、チームのためではなく、ただ自分がやりたくてやった自己中心的な気持ちの表れとみなされます。日本人の考え方とは少し違いますよね。

例えば、ロンダードひねりでタッチダウンするなら、ロンダード伸身にしたほうがいいと言うこと。1点減点されるより、ロンダード伸身にして完成度を求めたほうが得点できるからです。

日本人はとくに「やらないのは悪徳!挑戦しろ!」というカルチャーがある気がします。大会本番でも無理して成功度の低いスタンツもタンブリングもやってしまう時もあるかと思います。そうではなく、「やらない選択」をするのも一つのチアリーディングの技術かと思っています。