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皆さんこんにちは!現在オーストラリア・メルボルンでチアリーディングをしている笠原園花です。
バスケットトスの技には多くの種類があります。美しく高らかに宙を舞い見ている人を魅了することのできるチアリーディグならではの技。世界には皆さんが知っているよりも多くのバスケットトスの技が存在します。そこで今回は、レベル別に様々なスキルを解説していきます。
さて、2019−2020シーズンから、これまでレベル6までだったオールスターチアリーディングが、レベル7が新しく創設され、レベルごとの決められた技にも若干の変更が加わりました。
スタンツ、タンブリングのレベルごとのスキルについては以前紹介しましたので以下の記事を参考にしてください。
さて、今回はバスケットトスについての解説をします。バスケットトスも、スタンツやタンブリング同様、多少の変更があったので注目です。
バスケットトスは「美しさ」が高得点の秘訣
バスケットトスはチアリーディングの技の中でも特に目を引く技ですよね。イベントなどトータッチバスケットを飛ぼうものなら大歓声が沸きます。ただし、最近、バスケットトスの採点基準が難易度から美しさにシフトしており、世界大会などの大会で高得点を獲得するには、「高くてフォームが美しい」バスケットトスの実施が必須になっています。フライヤーの足が閉じていなかったり、伸びきらないまま技をかけたり、高さが低いトスは評価されない時代になりました。
さて、そんなバスケットですが、レベルごとに実施可能な技、実施禁止技が明確に分かれています。1回しかツイストしてはいけないのに、1回転より少し多く回ってしまったという場合でも「ルール違反」として減点される可能性があるなど、ルールチェックもかなり厳しくなっているので注意が必要です。
そんなルール上の注意点も交えながら、解説していきます。※技リスト中では、レベル3以降、「ツイストなし」と「ツイストあり」と分かれています。「ツイストあり」の技をすることで難易度点を獲得しやすくなります。
レベル1
現在レベル1部門ではバスケットトスの実施が禁止されています。そのため、採点項目にもバスケットトスは入っていません。
レベル2
レベル2では、ストレートトスのみが実施可能です。それ以外のトスを実施するとルール違反になります。
レベル3
レベル3では、ストレートトスに加えバラエティ豊富な技が可能になります。この中でもよくみるのは、トータッチやフルツイストですね。ルール上、「1トリックか、1と¼回転まで」が認められています。なお、アーチは1トリックには数えられません。例外:ボールエックス
ツイストなし
・ボールアーチ
・プリティガール
・パイクアーチ
・キックアーチ
・ボールエックス
・トータッチ
ツイストあり
・フルツイスト
レベル4
レベル4になると、ルール上「2と¼回転まで、2トリックまで」と決められています。レベル4で代表的な技がキックフルやダブルフルですね。なお、レベル4での注意点が、ツイスト中に頭がお尻の高さより下になってしまうとルール違反とされ、減点になる可能性があることです。
ツイストなし
・パイクエックス
・ヒッチキック
・スウィッチキック
・ダブルトータッチ
ツイストあり
・ボールフル
・パイクフル
・ヒッチフル
・トータッチフル
・フルアップトータッチ
・ダブルフル
レベル5
これまでのレベル5では、キックダブルの実施が可能でしたが、レベル改正により、現レベル5では、ツイストは1回までとなりました。なお、ルール上は「2回転半まで、3トリックまで」と決められています。
ツイストなし
・パイクヒッチキック
・パイクキックプリティガール
・パイクスウィッチキック
・ヒッチキックキック
ツイストあり
・キックフル
・ダブルフル
・ヒッチキックフル
・スウィッチキックフル
・キックキックフル
・パイクキックフル
・キックフルキック
レベル6
レベル6ではいよいよ1トリックプラス2回転が認められます。2回転半まで認められ、トリック数に上限は設けられていません。ルール的に言えば、10回キックダブルというのも可能そうですね。なお、レベル6でも、キックダブル中に頭が下がってしまい減点されたという例が少なくありません。特に世界大会などの大きな大会では審査員がよくみるポイントなので気をつけてください。
ツイストなし
・パイクヒッチキック
・パイクキックプリティガール
・パイクスウィッチキック
・ヒッチキックキック
ツイストあり
・ボールダブルフル
・パイクダブルフル
・キックダブルフル
・トータッチダブルフル
・ダブルアップトータッチ
・ヒッチキックダブルフル
・スウィッチキックダブルフル
・キックフルキックフル
レベル7
レベル7ではいよいよ頭が下になる、いわゆるフリップ技の実施が可能になります。ただし、しっかりとストレートトスを伸びてから技をかけないと高得点につながらないので、しっかりと基礎を忠実に練習するようにしましょう。
ツイストなし
・タック
・エックスアウト
・レイアウト
ツイストあり
・レイアウトフル
・レイアウトダブルフル
・エックスアウトフル
・スプリットフル(キックフルツイスト)
・アラビアン1.5
・パイクオープンダブル
まとめ
いかがでしたか?ライバルチームに勝つために、難易度の高い技を行いたいと思うチームも多いかもしれませんが、最近のアメリカのルールでは、難しい技を無理やり行うよりは、少し難易度を下げて「美しく綺麗な技」を行う方が得点につながりやすいです。基礎がどれだけ重要視されているかがわかりますね。私自身もコーチをしているときは、難易度スコアを追ってしまいがちですが、一度立ち止まって、美しさの追求にもこだわりを持っていこうと思います。参考にしてみてください。
モーションの解説記事もご覧ください