チアリーディングとは?オリンピック種目にもなる!?競技者目線で解説します

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チアリーディングとは?どんな種類があるの?どういう競技なの?何を競うスポーツなの?そもそもスポーツなの?このような皆さんの疑問に優しく答えていきます。この記事を読めば、チアリーディングについて皆さんの理解も深まるでしょう。

最近は、私自身、様々なメディア媒体に取材されることも増え、そのたびに「チアリーディング…具体的にどのスポーツを応援されているんですか?」と聞かれます。

「いいえ、スポーツの応援団ではないんです。人を宙に飛ばしたりするアクロバティックな競技なんです。」ということを最初から説明します。

ということで、今回は、スポーツの応援団=チアリーディングだと思っているチアビギナーの方向けに、わかりやすくチアリーディングについて紹介します。

チアリーディングはオリンピックスポーツになりました!

これだけは言わせてください。チアリーディングはスポーツです。スポーツ団体を応援するポンポンをもった女の子達だけを指すわけではありません。

チアリーディングは2017年に国際オリンピック委員会(IOC)からオリンピックの暫定競技に選ばれました。暫定競技に選ばれる基準として、競技人口や普及率などがあります。そうなんです。チアリーディングの競技人口は毎年日本でも世界でも増えているんです。

そして、2021年7月20日、東京で行われた第138回IOC会議にて、国際チアリーディング連合(ICU)が正式にIOCから認定されたのです。これはチアリーディングにとって大きな歴史となりました。

あくまでも国際チアリーディング連合が正式認定されただけで、「オリンピック競技」としてチアリーディングをオリンピックの舞台でみることができるのはまだ少し先になりそうです。

オリンピック競技としては、2028年のロサンゼルス五輪で採択されるのではないかと噂されています。チアリーディングはアメリカが強いので、開催国がアメリカだと採択されやすいからです。

2021年7月21日にアメリカで放送された国際チアリーディング連合の会長Jeff氏のインタビューでも「チアリーディングがオリンピックで見られるのはいつか」という話題が出ていました。内容についてはぜひこちらの記事をご覧ください。

尚、今回IOC(国際オリンピック委員会)から正式認定されたICU(国際チアリーディング連盟)の日本での傘下にいるのが一般社団法人日本スポーツチア&ダンス連盟(通称チアジャパン)です。今でもアメリカで毎年開催されているチアリーディング世界大会にはチアジャパンから代表選手が派遣されています。

しかしながらJOC(日本オリンピック委員会)に準加盟しているのは日本チアリーディング協会(通称JCA)なので、日本では実はねじれが起きています。

チアジャパンとJCAでは、ルールも評価基準も異なるので、今後日本全体で世界基準に合わせて行く方向に向かい、日本の素晴らしい選手たちが協会所属にかかわらずオリンピックの舞台に立てるよう願っています。

チアリーディングの種類

チアリーディング=スポーツの応援というイメージがついてしまうのにも無理はありません。

元々アメリカで、アメリカンフットボールや野球、サッカーなど他のスポーツを応援することから始まったものなので、応援(Cheer)の指揮をとる(Leading)ことをすべて「Cheerleading」と呼ぶのは事実です。

高校野球のスタンドでポンポンを振りながら応援しているのもチアリーディングですし、アメリカのNFLチアもチアリーディング(彼女たちは厳しい選考を通過して選ばれた超プロフェッショナルチアリーダーです)。

そして、時代が進むとともに、観客を楽しませるためにアクロバティックな技が取り入れるようになり、チアリーディングが徐々に競技化していったんです。

その「アクロバティック化したチアリーディング」が私たちが現在行う「チアリーディング 」です。私は「競技チアリーディング」と他の人に伝え他のチアリーディングと差別化を図っています。

尚、正直言って、世界中のチアリーダーに聞いて回ってもチアリーディングの種類を明確に答えられる人はほとんどいないと思います。それくらい多種多様なのです。

チアリーディングは何を競う競技なの?

チアリーディングは、「人を応援する」という理念があるスポーツなので、難易度の高いアクロバティック技を行なっても、危険な落下があったり、怖い表情で演技をしていたら得点できない仕組みになっています。

なぜならば、「笑顔」「表情」が採点基準に入っているからです!表情がここまで大きく点数に関わるスポーツはそうそうないと思います。

審査項目としては、

  • 「スタンツ」とよばれる人を持ち上げる技
  • 「タンブリング」とよばれる体操競技の床技
  • 「ダンス」
  • 「ジャンプ」とよばれる空中で足を開いて着地するチアリーディング特有の技

のそれぞれの難易度と技の美しさを競いながらも、

  • 演技のスピード感や構成の面白さ
  • 演技全体の印象(笑顔や掛け声で観客をいかに楽しませられるか等)

なども重要なポイントとなっています。

端的にいえば、「2分30秒の演技の中で、アクロバティック要素を取り入れながら、いかに笑顔で元気に観客を楽しませられるかを争うスポーツ」です。

アクロバティック要素がすごくても、笑顔で演技しないと点数が伸びないし、反対に、めちゃくちゃ笑顔で演技していてもアクロバティック要素が抜けすぎていると点数が伸びないんです。どちらもバランスよく取り入れることが求められる非常に繊細な競技ともいえます。

NETFLIXでも話題

2020年1月には、ついにNetflixで「Cheer」というアメリカの強豪、ナバロ大学のチアリーディング部を題材にしたオリジナルシリーズが公開されて、「えっ?チアリーディングってこんなに過酷なスポーツだったの?」という一般人からの声があがったり、「そうそう!これこそチアリーディング!!!」というチアリーダーからの声が上がっています。

これまでチアリーディングに関連するドラマや映画は度々ありましたが、今回のNetflixでの「Cheer」は私たちが行うチアリーディングを正確に表しているとして話題なのです。

この記事を通して、スポーツとしてのチアリーディングについて理解を深めていただけたら幸いです。