Cheer WorldsとThe Summitの出場権には種類があります〜知っておくとより楽しめる〜

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毎年4月末〜5月頭にアメリカ・フロリダ州で開催されるチアリーディングのクラブチーム世界大会である、Cheer WorldsとThe Summitですが、実は出場権には種類があります。今回は各出場権の違いについて説明します。

世界大会前になるとインスタグラムでこのような投稿を頻繁に見かけるようになります。

日本国内での世界大会出場権の種類

チアリーディングには現在レベルが1〜7までありますが、このうち上位レベルであるレベル5〜7の部門のチームが出場できるのがCheer Worlds(チアワールド)で、レベル1〜4の部門のチームが出場できるのがThe Summit(ザ・サミット)です。

日本では、USAジャパン主催のNationals全国大会で選ばれたチームとレベルに応じてCheer WorldsとThe Summitへの出場権を獲得できます。(The Summitに関しては、Jamfestという大会でも出場権を獲得できます。)

ただし今のところ日本では「At Large Bid(アットラージビッド)」と呼ばれる通常の出場権しか出ないようになっています。

しかし、アメリカとオーストラリアでは、それ以外にも出場権にいくつか種類があります。今回はその出場権の種類と獲得するメリットについて説明します。

Cheer Worldsの出場権種類

Cheer Worldsの出場権は3つあります。

  • Full Paid Bid(フルペイドビッド)
  • Partial Paid Bid(パーシャルペイドビッド)
  • At Large Bid(アットラージビッド)

ちなみに、大会での演技順は、Bidの種類ごとに区切られています。演技順は大会運営側が公開ビデオ(生中継で見れます)でくじ引きをして決めていますが、Bidの種類ごとにくじ引きをするので、演技順の最初はAt Large Bidチーム、中盤にPartial Paid Bidチーム、最後にFull Paid Bidのチームが演技するようになっています。つまり強いチームが最後の演技ということです。

現在アメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリスなどでPartial Paid Bidが獲得できるようになっており、アメリカとオーストラリアでは、Full Paid Bidも獲得できます。

オーストラリアでは2017年からFull Paid Bidを導入されることになり、アメリカ以外の国でFull Paid Bid制度が導入された初めての国だったということで話題になりました。なんと、私がちょうどオーストラリア初のFull Paid Bidを獲得してWorldsに出場させて頂いた身なので、その時感じたことも書いていこうと思います。

Full Paid Bid(全額補助)

Full Paid Bidは、大会期間中のディズニーワールドでの宿泊料・大会出場費・ディズニーワールドフリーパス(3日間分)の総額10万円程度が全額支給されるという最高の出場権です。

ただし、獲得するには国内予選大会で高得点を獲得しなければならず、かなり大変です。オーストラリアでは全国で1チームしか獲得できない仕組みになっていたので、毎年熾烈な戦いが繰り広げられていました・・・。※2020年から全国で2チームになったみたいです。ちなみにアメリカではもっと多いはずです。

2018年のWorldsには、私が所属していたSouthern Cross Cheerのレベル7チームがこのFull Paid Bidを獲得しました。メリットは費用面だけではなく・・・

演技順が後の方になるので、朝起きしなくて済む!

Worlds当日は、一番早いチームだと8時には演技(つまり集合7時とか・・・)が始まります。となると、メイクアップや髪の毛のセットをするために5時起床ということもあり得るのです。できればこんな状況は避けたいですよね。

Full Paid Bidだと演技順が最後の方になるので、午後1時〜2時くらいの演技になります。早起きせずに済むし、一番体が動く時間帯に演技ができるのでコンディションが良く保てます。

強豪チームの一員の自覚がでてモチベーションが上がる

演技直前のリハでは、同じくFull Paid Bidを獲得したアメリカの超競合チームたち(Cheer AthleticsやGymtyme等)と隣り合わせなので、「うおおお、私もこの中にいる〜〜〜ヒョエエ〜〜」と謎のモチベーションが沸きました。

とはいえ、隣の青マットで迫力のあるスタンツやタンブリングを繰り広げていたので本番直前に「すごすぎ〜〜〜」とちょっと焦りました。なのでデメリットでもあるかもしれません。

とはいえ、やはり費用がかさむ世界大会で補助金が出るというのは有り難いことです。

Partial Paid Bid(一部支給)

Partial Paid Bidは、アメリカでは大会出場費とディズニーワールドのフリーパス(3日間)分が支給されるとの説明がありましたが、オーストラリアの基準だと、チームで24万円程度が支給されるだけなので、1選手あたり1万円程度の補助になります。

2019年には私がオーストラリアで所属していたチーム(レベル7)はPartial Paid Bidでした。もちろんFull Paid Bidを狙っていましたが、その時はクリーンなノーミスを出したレベル4のチームがFull Paid Bidに選ばれました。私たちのチームは1つだけタンブリングタッチダウンミスがあったのでその影響も大きかったのかもしれません。

綺麗でクリーンな演技がどれだけ大切なのかを痛感した日でした(涙)

At Large Bid(補助なし)

At Large Bidが日本でも獲得できるもので、現金支給は一切ない世界大会出場権になります。まだこの出場権しかない国の方が多いと思います。

The Summitの出場権種類

The Summitにも3つの種類がありますがCheer Worldsのとは少し違います。

  • Paid Bid(ペイドビッド)
  • At Large Bid(アットラージビッド)
  • Wild Card Bid(ワイルドカードビッド)

Paid Bid(全額支給・シード権)

Cheer WorldsのFull Paid Bidと同様、大会期間中のディズニーワールド宿泊費・大会出場費・ディズニーワールドフリーパス分が支給されるのに加え、The Summitでは予選に参加しなくていいシード権も付与されます。

2019年にオーストラリアの同クラブでレベル4チームの助っ人として選手をしていたときに、The SummitのPaid Bidを獲得したのですが、大会が終わった後に「全額支給になるか一部支給になるかまだわからない」と大会運営側から言い渡されました(笑)海外あるある、決まっていないこと多すぎパターンです。

結局全額支給ではなくなりましたが、新型コロナの影響で大会自体も中止になってしまったので全ておじゃんになりました。

At Large Bid(支給なし・シード権)

At Large Bidは現金支給はありませんが、The Summitで予選への参加なしに決勝に進めるシード権が付与されるようです。

Wild Card Bid(支給なし・シード権なし)

これは、現金支給もなければ、シード権もないものになります。

ということで、国や大会運営者によっても支給の内容は若干変わりますが、毎年3月ころになると、インスタグラム上では、どのチームがどの出場権を獲得したなどといった投稿を見ることも多くなると思うので、知っておくといいかもということで今回の記事を書いてみました!

お役に立っていたら幸いです。